組織の Claude Code 活用状況を AI ネイティブにシュッと可視化する!
「うちの組織はClaude Codeをどれくらい活用できているのか?コストは?」
Claude Code を組織で使い始めると、すぐにこんな疑問が出てきます。
環境変数を数行足すだけで、トークン使用量・コスト・ツール実行ログが可観測性ツールに連携され、分析できるようになります。実際にやってみた流れとどんな感じで可視化できるのかを簡単にまとめました。
伝えたいこと
- Claude Code は OpenTelemetry(OTel)に標準対応。
CLAUDE_CODE_ENABLE_TELEMETRY=1で opt-in するだけでメトリクスとログを吐く。 - 送信先を OTel 対応の可観測性ツールにすれば、トークン数・コスト・セッション・ツール accept/reject 率などがそのまま可視化できる。
- 設定は管理コンソールから
envを数行リモート配信するだけ。コードも端末ごとの作業も不要(MDM 運用ならmanaged-settings.json配布でもOK)。個人で試す場合も同じenvを~/.claude/settings.jsonに書くだけ。 - プロンプト本文はデフォルトで送られない(伏字)。安心。
- ツール側のコストは小さめ(うちの組織では月5,000円未満)。コスト管理の主眼は API 利用料の方。
なぜ可視化するのか
Claude Code をチームで使い始めると、すぐにこんな疑問が出てきます。
- 誰がどれくらい使っている?
- トークン・コストはどれくらいかかっている?
- どのモデルが多い?ツールの拒否率は?
- API エラーやリトライは発生していないか?
これらは Claude Code が OpenTelemetry 経由でメトリクス/ログとして吐き出しているので、OTel 対応の可観測性ツールに連携するだけで全部見えるようになります。アプリ改修やプロキシは不要です。
取れるデータの例
メトリクス(数値・時系列)全8種
| メトリクス | 内容 |
|---|---|
claude_code.session.count | セッション開始数 |
claude_code.lines_of_code.count | 変更行数(added/removed) |
claude_code.pull_request.count | PR 作成数 |
claude_code.commit.count | コミット数 |
claude_code.cost.usage | 推定コスト(USD) |
claude_code.token.usage | トークン数(input/output/cacheRead/cacheCreation 別) |
claude_code.code_edit_tool.decision | 編集ツールの accept/reject 数 |
claude_code.active_time.total | アクティブ利用時間(秒) |
cost / token には model・query_source・agent.name・skill.name などの属性が付くので、「どのモデル・スキル・サブエージェントがコストを食っているか」まで分解できます。
イベント(ログ)
claude_code.user_prompt / api_request / api_error / tool_result / tool_decision など全22種。model・cost_usd・duration_ms・tool_name といった属性付きで届きます。イベントの全量と属性の詳細は公式ドキュメントを見てください。
必要なもの
- Claude Code がインストール済み
- OTel(OTLP)受信に対応した可観測性ツールのアカウント(クラウド型なら無料トライアルでOK)
- ツールの 取り込み用認証キー(Ingestion Key) と エンドポイント(各ツールの管理画面で確認)
設定の優先順位を理解しておく
Claude Code の設定は以下の順(上が強い)で適用されます。
| 優先 | スコープ | 配信元 |
|---|---|---|
| 最強 | 組織管理(リモート配信) | Claude.ai 管理コンソールからサーバー配信 |
| ↓ | 組織管理(MDM / ファイル) | managed-settings.json 等 |
| ↓ | プロジェクト個人 | <repo>/.claude/settings.local.json |
| ↓ | プロジェクト共有 | <repo>/.claude/settings.json |
| 最弱 | ユーザー個人 | ~/.claude/settings.json |
ポイント:組織管理の2段(リモート配信・MDM/ファイル)はどちらもユーザー設定では上書きできません。つまり管理者は、テレメトリ送信を全ユーザーに確実に効かせられます。なお管理層の中ではリモート配信が先に評価され、**リモート配信に設定が1つでもあると
managed-settings.jsonは丸ごと無視(マージされない)**仕様らしいので、併用時は注意してください。
組織展開では最優先のリモート配信に寄せるのが基本(MDM を運用しているなら managed-settings.json 配布でも)。個人で試すだけなら ~/.claude/settings.json が手軽で、テスト後も数行消すだけで戻せます。
セットアップ手順(組織管理者向け)
この記事は MDM などのデバイス管理基盤が無い組織を想定しています。その場合の組織展開はリモート配信が基本です。Claude.ai の管理コンソールから設定を配るだけで、端末側へのファイル配布もインフラも不要。Team / Enterprise プランで利用できます。
1. 配信する送信設定(env)を用意する
テレメトリ有効化と送信先をまとめた JSON を用意します。
{
"env": {
"CLAUDE_CODE_ENABLE_TELEMETRY": "1",
"OTEL_METRICS_EXPORTER": "otlp",
"OTEL_LOGS_EXPORTER": "otlp",
"OTEL_EXPORTER_OTLP_PROTOCOL": "grpc",
"OTEL_EXPORTER_OTLP_ENDPOINT": "https://<your-endpoint>:443",
"OTEL_EXPORTER_OTLP_HEADERS": "<auth-header-name>=<your-key>"
}
}
2. 管理コンソールからリモート配信する
Claude.ai の Admin Settings → Claude Code → Managed settings に 1 の JSON を貼って保存するだけ。クライアントは認証時・起動時に設定を取得し、セッション中も1時間ごとに更新を取り込みます。
押さえておくポイント:
- ここで配った設定は最優先で、ユーザーは上書き不可
- OTel まわりの設定は反映に Claude Code の再起動が必要(通常の設定はポーリングで自動反映)
補足:MDM を運用している場合
MDM 等のデバイス管理がある組織なら、同じ JSON を managed-settings.json(macOS: /Library/Application Support/ClaudeCode/managed-settings.json)として配布する方法も使えます。OS レベルでファイルを保護できるぶん、改ざん耐性はこちらが上です。
おまけ:個人で簡単に試したい場合
管理設定を触る前に手元で動作確認したいときは、~/.claude/settings.json の env に 1 と同じ内容を書くだけでOKです(テスト後は数行消すだけで戻せます)。
プロンプト本文は送られない
気になるのが「プロンプトの中身まで送られるのか?」という点。デフォルトでは送られません。
claude_code.user_prompt イベントを見ると:
{
"prompt": "<REDACTED>",
"prompt_length": "23"
}
本文は伏字(<REDACTED>)で、文字数だけが記録されます。本文ログが欲しい場合のみ OTEL_LOG_USER_PROMPTS=1 で opt-in できますが、機密混入リスクがあるので基本はオフ推奨です。
user.emailやuser.idといったユーザー識別属性は送信されます(テレメトリ仕様)。
AIネイティブに分析する
話をだいぶ割愛するんですが、MCP対応の可観測性サービスを使えばシュッと分析できます。
Claudeに聞く。それだけ
コストの最適化できないかなー?それもClaudeに聞くだけ
気になる「可観測性ツール側のコスト」
「ログを溜めるとツール側の料金が膨らむのでは?」 うちの組織の場合、月5,000円もかかっていません。
Claude Code が吐くテレメトリはテキスト主体で、今のところそこまで大きくなってないです。とはいえ実際の金額は、使うツールの料金体系・組織の人数・利用頻度で大きく変わります。多くのツールには取り込み量や課金額を確認できる画面があるので、まずは小さく始めてみて、自分の環境の実態で判断するのがおすすめです。
ひとつ言えるのは、これからもAI利用は爆増していきます。それをしっかり活用していく為のツールなので、多少の投資をしても成果は出ると思います。
まとめ
Claude Code のモニタリングは、環境変数を数行リモート配信するだけで始められます。
- 送信設定とキーをまとめた
envを用意(OTEL_LOGS_EXPORTER忘れずに) - Claude.ai の管理コンソールからリモート配信(MDM があれば
managed-settings.json配布でも。いずれもユーザーの設定作業は不要・上書き不可) - 各ユーザーは Claude Code を再起動するだけ
- あとはClaudeに聞くだけ!
個人で試す場合も、同じ env を ~/.claude/settings.json に書くだけです。
プロンプト本文は送られず、ツール側のコストも小さめ。「誰がどれくらい・どのモデルで・いくら使っているか」が一目で分かるようになります。まずは管理者自身の環境でサッと試して、手応えがあれば管理設定で組織展開、という流れがおすすめです。

